初代ユーロバンは1994年にデビューした。しかしその頃には同コンセプトのルノー・エスパスが欧州ではポピュラーになっていた。もともとエスパスは、プジョーが買収したマトラが提案したアイディアであり、プジョーがそれを袖にしたため、マトラがルノーに売り込んだものであった。その経緯が関係しているためか、エスパスの後追いをすることを避け、ミニバンの祖であるクライスラー・ボイジャーを研究し「アメリカ車のようなミニバン」を商品コンセプトとした。この判断は的を射たものであり、今では欧州でもこの方向性がポピュラーとなっている。
スケルトンとも呼ばれる、マルチチューブラーフレーム・樹脂外板のエスパスに対し、ユーロバンは一般的な鋼鈑プレス・溶接組み立てであり、利益率が重視された。また、「アメリカのミニバン」の特徴であるスライドドアを導入した。その特徴的なスライドドアは、バッジエンジニアリングでもある商用車にも有用であった。
短い全長に3列シートを配置するため、アップライトな(立った)着座姿勢となった。A・Bピラー間の距離も短いため、乗降性を損なわないよう、フロントドアは90°近くまで開くことができる。乗車定員は2・3・2の7人乗りで、二列目、三列目の座席は個別に取り外しができ、移動可能である。この点はエスパス同様で、欧州ミニバンの特徴となっている。
エンジンとトランスミッションは、PSAのDセグメント乗用車(406、エグザンティア)のものが使われており、フロントに横置き搭載され、前輪を駆動する一般的なFF方式である。
足回りは、フロントがストラットとコイルスプリング、リアはトレーリングビームとコイルスプリングの組み合わせであり、これもきわめてコンベンショナルな構成である。
ユーロバンが登場したのち、クライスラーからボイジャーの上級車種である、ホイールベースを延長した「グランド・ボイジャー」が登場し、のちの1997年、エスパスにも同様のグランエスパスが加わったが、ユーロバンにはロングモデルは追加されなかった。
その後1998年10月にマイナーチェンジを行った。主な変更点は、
* シフトレバーをフロアからダッシュボードへ移設
* パーキングブレーキレバーをフロアセンターから運転席とドアの間に移設(左ハンドル)
* センターコンソールを廃止し、フロントシートの間を空ける
など、比較的大掛かりなものとなったが、これらの変更は、前席の前後左右のウオークスルーを実現するためには、一つとして外せないものばかりであった。この改良は市場に好評を持って迎えられ、インパネシフトは欧州の実用車ではひとつのスタンダードとなった。
- プジョー 807 値引きのことが知りたいならここが一番!値引き情報満載です。